R.E.M.のふりだけしてみる。または、θ波を鼠蹊部から発してみる。
悪いのは自分ではないと定義してみる。たとえば「世の中」とか「外人」とか「男」とか「会社」とか「読者」とか。
誰も何も自分に本当のところをまだ教えてくれていないと仮定してみる。「本当」は誰かが教えてくれるものだと決める。
誰かの歌詞を功名にパクってきて舌触りのいいポエムを書いて詩として投稿してみる。
ジョン・ケイジの「4分33秒」がほんとは「4時間33分」だったらと考えてみる。
「こんにちは」を「こんにちわ」と書いてみる。そして批評家の真似をする。
選挙にほとんど行かないまま政府の悪口を言ってみる。難癖つけて聴取料払わずにNHKを視る。
とりあえず「鬱」と診断してもらって免罪符とする。そして何もしない。
よく寝たつもりで出勤してみる。そして経理部長に30ページくらいの資料を読んでもらう。
理解を超えた抽象的な障壁を、差し障りのない具体的な、あるいは弱い誰か(詩人)に置き換えて攻撃してみる。
一匹狼連合会会長になって死んでみる。目立ちたがりの匿名者になってみる。
クリのポイントの入ってない馬鹿長い詩をゆっくり読んでみる。
推理小説をエピローグから逆に読んでみる。あるいは「純粋理性批判」の奇数ページだけ読んでみる。
清水ミチコとチック・コリアのデュオの予定がキャンセルで「小泉首相のジョークを聞く会」になった場合を想定する。
文章中の「夜の静寂（しじま）」を「夜の蜆（しじみ）」にしたとき、他の部分をどう変更したらよいか模索する。
木こりになって鉄の斧を湖に落としてはみたもののただ静かなだけという顛末を描いてみる。
山に芝刈りに、川に洗濯に行って、何も流れてこずに穏やかな一日が終わったとする。
「国境の長いトンネル…」が「こっきょう」か「くにざかい」か自問自答してみる。
そしてそのトンネルが空間的・時間的なループを成している様子に身を浸してみる。
無人の山手線のモハじゃない車両に乗ってノンストップで揺られてみる。
パジャマを着てテンピュール枕を持ってディズニーランドの「ピーターパン空の旅」に乗ってみる。
壁に向かって肩の高さに掌ついてそのまま膝の屈伸を22回やってみる(試してみて)。
「契約書に定めのない事項」をすべて列挙してみる。
「眠れぬ」と「エミネム」が何故似ているかスワヒリ語で解説している自分に思いを馳せてみる。
「眠れぬ夜のために(xx編)」という詩を書いてみる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Kuri, Kipple : 2005.08.15

ちなみに僕は眠れないことはあまりありません。細切れ睡眠体質なので今たまたま起きてるだけです。
皆さんもよかったら書いてみて下さい、「眠れぬ夜のために(あなた編)」