眠る空
こしごえ

末端の夜で
日常にある
輪郭のない
さびしさを
手繰り寄せる

その顔は
か細くゆがみ
青白い灯火に
照らされて
さまざまな角度で欠けている

ほおいほおい
呼びかけにも
こたえられず
深く眠る その姿は
行き場を失った翼が
無声音を中心として
躍動するかのよう

サァザーーー
どこかで海の音がする
と思ったら雨垂れ
いつのまにかひとり
いえ最初から ひとりきり

寝ている時くらい
暗闇から解放
すべてとの
つながりで
浮き立つ血
あなたのことは忘れない

突端の朝に
目を細める
遠くに来たわねぇ
それとも遠ざかっていったのかしら
命をあきらめず(あきらめの悪いわたし)
一時の感情に流されず流れて
会ったことのない未来を夢見
今日もまた、うたを歌おう。


自由詩 眠る空 Copyright こしごえ 2005-08-13 12:27:14
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