練習
たもつ

タクシーで溺れた
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらできない
心がとても綺麗に透き通りながら
これはきっと何かの練習なのだと思う
けれどそれは
今に限った話ではない




自由詩 練習 Copyright たもつ 2005-08-13 09:31:24
notebook Home 戻る