夏焦
HARD


夏の日差しだ
これは夏の日差しだ
覚えている よく覚えている

夏の風だ
これは夏の風だ
覚えている よく覚えている

カエルの声と 水田の青々さと

僕の心臓は鼓動の回数を増していく

ドクンドクン ドクンドクン ドクンドクンドクンドクン

僕の胸はぎゅうぎゅうに締め付けられる

痛い

どうしたらいいんだろう ああ
これは夏の焦りだ
覚えている 嫌なほど覚えている

何かしなくてはと そういう焦燥

この心臓はどこへ行けばいいか知ってるようだ
なら この肉引き裂いて
    骨もどけて
心臓を外に出してやろうか

そうして紐で繋ぐ

心臓はてくてくと迷いもなく
歩き出し
僕を引っ張るだろう

どこまでいくんだ
どこまでいきたいんだ


未詩・独白 夏焦 Copyright HARD 2005-08-13 07:49:42
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