つくよみ みそぎ ぎんいろ ろまん
クリ

だあれもいない いなかみち
トボトボトボト 歩いてました
やさしいひとが 見まもるような
うれしはずかし 静かな月夜
どこからとなく サンダルウッド
におうようにも 思える月夜

ふとからだから なにかがハナリ
じめんに落ちた 気がしたのです
かおちかづけて 見てみると
それはわたしの きたないもので
出てけおまえと 言われては
せんかたなくて 落ちたのでした

ああでもそれは わたしには
とてもきれいな ものでした
ゲーデル数にて 表せる思慕
わたしだけには いとおしい
わたしだけには うつくしい
ルビイのような コンプレックス

どうしてもすぐ きたないものを
あのかただけに 見せたいと

あかやきいろの 色をつけ
はるのかたちに 似せさせながら
麝香のかおりに 誘い笑み
サラサのうえに 置いたのでした

さてあのかたは これをみて
きたないものと 言うはずがない
けがらわしいと 言えますか
月夜のもとにて さし上げましょう
あのかたはただ 言うでしょう
うつくしいもの そは 君なり と

        Kuri, Kipple : 2005.08.12
「つきよみ」「月読み」/「禊」「身滌ぎ」「身削ぎ」「身殺ぎ」
高塚美千子さん、ゴメンネ。完成させいしまいました


自由詩 つくよみ みそぎ ぎんいろ ろまん Copyright クリ 2005-08-12 03:37:26
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