真夏の禁猟区
本木はじめ

われ先にわれこそ先にと同じ日に蒔かれた姉妹の朝顔の咲く


狩りそして狩られることの無き国の王女の不在のごとき静けさ


水中を沈みゆくバス、運転手、乗客らみなほほえむ夏日


コンタクトずれればあなたぼやけゆく滝のほとりに落とした帽子


夏雲の高さを感じるためにわれ廃材置き場で木となり眠る


海はまだ青いだろうかふたりして探る真夏の人魚の海馬








短歌 真夏の禁猟区 Copyright 本木はじめ 2005-08-11 16:46:33
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