ロックンローラー
あいこ

大きい声で叫ぼうとしても ベランダの外に聞こえないか気にするし

歌うとしてもこたつのなかで 誰か帰ってきたらどうしよう、とひっそり歌う

高いパンプスをはいても 歩く音が響かないよう そっと音をたてる

しゃべっていても言いたい事の 半分も言えていない

爆発する危険性もありませんが 爆発したい欲望は爆発しているんです

頭を大きく振って髪を乱したい願望は強いのですが 金髪に染める気もありません

もしそれが勇気なら パンクもロックも見かけだましの倒れ企画

本当は 中指をたてながら舌を出して街を暴走していきたい

けど そんな人を見たらあたしは怖がって一歩さがるだろう

この気持ちは じゃあ何なの? 控えめな欲望の大きさと 勇気のない爆発

これをロックと呼ぶのだろうか これを小心者と呼ぶのだろうか

かっこつけたいし かっこつかないし でもかっこつける気はあんまりない

口笛程度の鼻歌を 爆音にかえる気もない

あぁこれをロックと呼ぶのだろうか あぁこれをパンクを呼ぶのだろうか

あぁあたしはロックンローラーなのだろうか 教えてよ 小心自爆敵ロックなアタシ


自由詩 ロックンローラー Copyright あいこ 2003-12-20 21:05:03
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