繁茂する微熱
こしごえ

遠のいていく
夢の終りの予感

連続する瞬間の
寓話的イノセンス
遠のいていくわ

音楽的無添加な透過

指の形良く
挟んだ煙草と
くゆる
正視の冷却
覚めてゆく未知数
しなだれる燃焼
する残照
遠のいていくわ

渦巻いている奥底から
ほおうっ
と息をこぼす
時が鮮明に裏返っていく

夕立のあがった道は暗く
どこからか鼻歌を連れてくる
そよ
とそよぐのは
朽ちるまえの夢の渇きか

芽吹いていく悲恋

煙草を灰皿に押しつける
ニジリ
近づいてくる


自由詩 繁茂する微熱 Copyright こしごえ 2005-08-08 07:57:07
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