明日について
佐々宝砂

明日がある
と貴方が言ったので
私はすこしだけ淋しかった

いつだっけ
明日がどこにあるの
と尋ねたら
東北東
と答えたのよね
貴方は

どこからくるのか知らないけれど
明日は必ずやってくるわ
勤勉なサラリーマンみたいに
昨日とおなじ顔をして

それでも明日について何か語ろうとするのはなぜかしら

しんと静かな私の部屋
きんと冷えたビール

貴方がいなくなったあと
ひとりで飲むお酒
こんなのもわるくはない

けれどそろそろ
眠ったほうがいいのでしょう

明日があるから


自由詩 明日について Copyright 佐々宝砂 2005-08-02 22:07:38
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ポエムス(パキーネ詩編)