コーラ

朝、ベッドの脇置きっぱなし飲みかけのコーラは
君が捨ててしまったみたいで
だけど君は相変わらず何も言わないから
あれは静かにただ流れていっただけなんだな
淋しく吸い込まれて
どこへ行けるでもないのに

僕らの未来も同じように不確かで
泣いても笑っても
いつかは吸い込まれて消えるだけ
懐かしい香りの町並みも
あの交差点も
僕らの事ずっと覚えていてはくれないだろう

僕らは泣かずにはいられない
振り返らずにはいられない
後悔しない訳がない
後悔しない訳がない

駅前通り銀杏並木も
あの曲がり角も
僕らの事ずっと覚えていてはくれないだろう

僕らは笑わずにはいられない
時々後先考えずに眠りたくなる日だってある
どこへ行けるでもないのに
何となく漂っていなきゃ居られない

また今日も自販機でコーラを買って
君の寝顔思い出しながら飲むんだ
うまれてはすぐ消える気泡も
悲しいばかりじゃないよな
なんて


自由詩 コーラ Copyright  2005-07-30 00:23:33
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