『極彩色のゲルニカ』
mana

僕には何もありゃしない
マイノリティにもなれないさ


ラウド・マイノリティだって?


今じゃマジョリティだって
なんだかんだと騒いでいるよ


由緒正しきマジョリティ
ルールは常にマジョリティ
いつも被害者マジョリティ


僕はうんざりしてるんだ


天に向かって
唾吐きたいと思うけど
空を仰いで唾吐けば
じぶんの顔にかかってきそう


「神のご加護を!」


そんなことをいちいち叫ぶのは
腐ったマイノリティだけだ


徒党に憧れ地に落ちた
腐りきってるマイノリティ


仲間も募れぬレアものは
黙って口をつぐんでる
怯えて震えて耐えている


あんたが噛んだ下唇から
皮を噛み切り血が垂れてるよ


なあ キミよ


せめてキミくらいはさ
どんだけ辛くても
キミを見放すことのない
キミの味方でいておくれ


僕はカリスマなんかじゃない
それでもあんたの隣に座り
唇を噛むくらいは出来る


被害者面などダセェだろ?


たったひとり
プレミア誇って生きていけ


あんたが一番イヤなもの


それに暢気なマジョリティは
ほんとに心底焦がれてるのさ


いい気なもんだね
まったくだ


血の味ひとつ 知りやしねえ


たったひとり
プレミア誇って生きていけ


あんたが疲れて眠るとき
僕がずっと見張りをやるよ


もちろん僕が寝るときは
あんたが見張りをやるんだよ


ねえ 加害者にならないか


神がもしもいるのなら
そいつのよこしたルールに抗い
プレミア誇って生きていこう


悪魔に魂売ろうじゃないか
そして最後に悪魔も裏切り


僕らの神なき教会に
名付けられないものたちのため
ただただ祈りだけを込め
大きな天井画を描くんだ


キャンバスはほら
いやさ
チラシの裏だって構わないけど


とりあえずでいい 構図を決めよう
指先汚しながら デッサンを描こう


あんたは待たれているんだよ


極彩色のゲルニカを


自由詩 『極彩色のゲルニカ』 Copyright mana 2005-07-25 19:19:18
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