この手
−波眠−

内側から鍵をかけ
それでも
飽き足らず
爪が白くなるまで
ドアを押さえていたね

梅雨目前の
予行練習の小雨にでも
混じってくれと願った
指先の震えが

どうしてか
あなたの仮面にふれた夜

指先どころか未来まで震えているのに
この手で剥がしても
許されるのでしょうか


誰に?
あなたに?
モラルに?
なんだ、それ


乞うものすら掴めないまま
仮面を握りつぶした

この手



自由詩 この手 Copyright −波眠− 2005-07-24 21:58:15
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