この皮膚がなければ
たりぽん(大理 奔)

皮膚が邪魔だ
熱だけが祭りのようで
街灯までが青白く貫く

ああ、皮膚が邪魔だ
この世界と私を
容赦なく隔てる

この外套を捨て去ってしまえば
多少は見苦しい液体を
ばら蒔くかも知れないが
それで大地に還ってゆける

愛情も欲望も虚構も真実も全て
ぶちまけて染みこんで
少しだけ乾ききらない汚れから
小さな草が芽生えたら
それが
果たすことのできる
たったひとつの約束

誰も傷つけず花を咲かせて
今度は、綺麗に散ってゆけ


自由詩 この皮膚がなければ Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-07-23 22:13:10
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