再夜 Ⅱ
木立 悟




雲から雲が生まれつづけ
離れ 裂け
糸を引き 融けあい
一夜の 一兆夜の
不確かなまばたきを見つめる


夜明けに混じり
さまざまな小さきものが
熱の傾きに乗じてやってくる
空と空は重なり
光源は遠く
かすかに残る夜の雲に
水の生きものの肌を映す


朝を過ぎ夜を過ぎ
雨と黄金に追われ
やがてひとつの山吹に会う
水滴を破らない触れ方で
よろこびを伝えあい
生まれつづける互いを知る
惑いのようなまどろみのなか
散る花はどこにもなく
着く花 離れる花だけが
夜と朝を巡り行き交う







自由詩 再夜 Ⅱ Copyright 木立 悟 2005-07-22 07:14:40
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