原の歌
木立 悟
青い絵が燃えている
二つの円が溶けてゆく
月の上に咲いた花
まぶしさのなかに消えてゆく
いくつもの想いが踊り出す
いくつもの響きが
いくつもの震えを撒きながら
次の夜へと遠のいてゆく
失われた声
失われた言葉
いくつもの原を過ぎてゆく
雨を奏でる指がかがやき
奪われ 隠された人々の歌が
いつまでも月から降りてきて
雲の火の下
歌うたいの子の指先に咲く
雨の素顔を見つめていた
自由詩
原の歌
Copyright
木立 悟
2005-07-21 17:01:39