暑さ 流れる空
チャオ

暑さ 流れる空間
   自転車に乗った二つの目、通り過ぎるガラスの扉を見つける。
   君は靴を履き、靴は君を支える。
 
   バイクに乗った無数の汗、道路を挟む水田を通る。
   路を進み、道に出る。道を通り、道へ着く。


暑さ 流れる空間
   「これは準備です」「これは本番です」「けれど素顔です」

暑さ 流れる時間
   「それとお金です」「意味なく笑顔です」「やっぱり不安です」

   お金の決まりごと、幾千の顔を見てきたのか。
   嘘が不安であったり、不安が嘘であったり、それらが嘘であったり。

暑さ 流れる空間
   川に偽物の影が生まれる。嘘つきは長々しゃべる。
   川に偽物の波が生まれる。波打ち際はざわざわしゃべる。

   (これは準備、つまりは本番。すべてが素顔、すべてが素顔。)

暑さ 流れる空間
   君の消えた影が伸びる。流れる時間。空が引き伸ばされる。
   スピーカーから声が洩れる。嘘が怒り、
   暑さ、流れる空への時間。

暑さ 流れる時間
   準備かもしれない、本番かもしれない。結局、素顔。
   素顔と本気。それから本気。いつも本気。
   結局、不安。鉛筆で波を描く。不安と素顔。

   バイクを押す。本番が始まる。本番は延長する。
   不安が聞こえない。不安がこだます。
   朝の、嘘をついた朝の、夜の戯言。

暑さ 流れる世界


自由詩 暑さ 流れる空 Copyright チャオ 2005-07-20 18:30:42
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