答をくれる人
千波 一也


貝殻を気取る私は
捕獲されるのを警戒する

辺りが静かになった頃
深い深い、おそらく他人には不快と思われる
夜の底にて
ようやく貝は口を開く


ポロポロと子守歌
誰にも与えられぬような
おのれのための
子守歌


貝殻はそこに
ありもしない伝統を見つける


答をくれる人は
いつだって居てくれるのに


私は
私の愚かさについて
もっと詳しくならなければ
ならない



自由詩 答をくれる人 Copyright 千波 一也 2005-07-20 02:23:34
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