メロンの時間
umineko
実家から、何の脈絡もなくメロンが届く。どうもよくわからない。ま、自分の行動も脈絡がないので、おそらく血筋なんだろう。
最近のメロンは、取説付きだ。通販の組み立て家具みたい。メロンの歴史。匂いの秘密。そして、食べごろ。
余計なお世話、とも思わなくもないが、食べごろの日付が指定してある。ま、そうかもね。せっかくの高級果物だ。果実の王者、メロン。おいしく食べる義務があります。
時間と共に甘くなる。鳥たちを誘うため。
時間と共に甘くなる。やわらかく崩れていく。
出逢いにもたぶん、賞味期限があって。甘く崩れるタイミングがあって。そこがうまくかみ合わないと、歯ごたえだけが残ったり、する。
どんな化学反応も。どんなに愛おしい距離も。少しだけ時間が欲しいのだ。そこは見極めるべきだった。メロンを少し、うらやむ。
ま、いっか。崩れてバラバラになって。くれてやるのも悪くないよね。
たとえば、詩に。