あなたがくれたもの
服部聖一
小さな庭にスコップをさしこむ
土は深い森のにおいがした
森と眠りは深いほうが良い
深い穴に
深い眠り
食べものと 土と 土と
見上げたら曇り空
ぽつりと 雨が 土をぬらした
停車しない駅では光だけがすぎ
待つ人と出会うことが出来ない
明日 降りる駅かもしれないのだが
駅の名は見えない
急げ
あなたの身体が土に帰り
私の身体が土に帰り
思い出せない期日の夕日が土に帰る
明日ではない 朝が始まる
自由詩
あなたがくれたもの
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服部聖一
2005-07-15 02:38:10