ふわり、風
千波 一也


ふわり、風

ふわり、髪

いつかの夏の真昼の丘で
風にそよいでいたきみのこと


ふわり、風

ふわり、髪

いつかの夏の真昼の丘で
きみの光が思い出に捕らわれそうで

哀しかったのを覚えてる


穏やかな日だまりのなかで
哀しかったのを覚えてる



ふわり、風

ふわり、

きみの髪のかたちが
心に蘇る



参ったなぁ

いつかの少年にはもう戻れない



ふわり、風

ひとりきりでは乗り切れず


ふわり、風

くすぐったいような
きみが好き





自由詩 ふわり、風 Copyright 千波 一也 2005-07-13 05:41:33
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