かなしみ
船田 仰

まるでどっちでもいいみたいに
二人して机に頭を乗せてる
カフェにてお目覚めですか、かなしみ
頻繁にノックした傷跡を
軽いボールペンで埋めて

きっちり一言分の誤差で
あたしときみは噛み合わないのかもね
充電のきれた、言葉。のあつまりを、
置いて行けなかったり
すごすごと泡になって消えるかなしみ
動悸になるならもっとお洒落に
涙を誘うくらいにしてよ
好き、の棘を、
とうめいから赤に変えてよ


ほんとはきっと、


多分
どうしようもないかなしみ
くちびるの端で取れそうもない
ゆがむメジャーを足で押さえたまま
みっともなく歩いているのに



自由詩 かなしみ Copyright 船田 仰 2005-07-11 23:36:51
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