卒業によせて
春日野佐秀

くすのきは今も変わらない
木にとって この時間は
とても短いから

でも人は変わる
変わらない思いを胸に
巣立ってゆく
小さかった背中も
いつのまにか大きくなって
すりきれた制服が
くんしょうのように光っている

変わらないようでいて
変わってしまった私たち
けれど思い出はたくさん
ケンカした日も
支えあった日も
今ではひとつひとつがなつかしい
ふりかえれば
足跡が道となり
私のうしろへ続いてく
ひとつひとつの思い出から
やがて芽が出て木となって
私は変わっていくのだろう


自由詩 卒業によせて Copyright 春日野佐秀 2005-07-11 18:52:16
notebook Home 戻る