七人の男(簡単な男)
たもつ



男は簡単だった
周りの人はみな
おまえは簡単だ、と言い
いたって普通だった男の両親は
なぜ普通の自分たちから簡単な子供が生まれたのか
死ぬまで不思議がった
時間があると男は海を見に行く
波 
潮の匂いのする風 
うち上げられたヒトデの亡骸
何一つとして男はうまく説明できない
男は自分を説明しようとする
時間をかけて何度もやり直し
やはり簡単という言葉にたどりつく






自由詩 七人の男(簡単な男) Copyright たもつ 2005-07-11 08:42:14
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