雨の日のアメリア
小池房枝

どのくらいの広さで降っている雨なのか
心は探りに行く
夜に出てゆく

けれど心は気持ちでしかないので
体の外のことは何も感じられない


雨の立てる匂いの遠さと近さ
水の滞空時間

光りの屈折、木々のいらえ


水溜りの帯びる熱にも
雨滴と雨滴とのぶつかりあいにも

視線は届かない、耳はあかない


心だけは外に出てゆく
けれど何も感じられない

どのくらいの広さで降っている雨なのか
雨の終わりのところでは何が終わっているのか



自由詩 雨の日のアメリア Copyright 小池房枝 2005-07-10 09:56:03
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