ドライフラワー
こしごえ
夏の情熱の裏側に
すらっと伸びた少年少女の
腕がつかみそこねた
目差
(
まなざし
)
を
冷たく崩れてゆく陽炎
囚われた脈動は
透けていく意識となって
中性花
(
ちゅうせいか
)
の宙吊りとなる
果てを知らずに朽ちてゆく
私と私の真相は
朽ちてゆくほどに
重く、重く輝きを増し
われんばかりに
谺
(
こだま
)
して
青く嘔吐する
予約席の虚しいこと
不在が口をあけて待っている
待つ者がいるだけでもいいのか
私にはエンドレスな孤独が薫るだけ
悲しい
けれど恐れは無くて
(と言えば嘘)
美しい姿のまま、滅びて
それだけ
自由詩
ドライフラワー
Copyright
こしごえ
2005-07-10 08:27:37
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