『ニンゲンの丘』
しろいぬ

ニンゲンの丘に立つ

魂を踏み砕いて

隙間から洩れるのは赤光シャッコウ

全てを抱えあげるには

一対の手は絶望的に少なく

踏みしめる両足は脆弱に過ぎる


誰よりも強くなりたい


叫びは空に溶けて

太陽は矮小ワイショウなニンゲンを見て笑う

この身に注ぐのは

ニンゲンを燃やす赤い光

それは心の深く深く

狂ったような速さで脈打つ心臓を静かに照らして

足掻く肉塊の憐れを

網膜に くっきりと焼き付ける


自由詩 『ニンゲンの丘』 Copyright しろいぬ 2005-07-09 10:53:45
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