オープンカフェ
EnoGu

(range life vol.3)



女:それ、タコの刺身?
男:それ、たていす。

    (俺は荒野で洟をかんでるアゴも無いのに洟をかんでる)

女:それ、タコの刺身?
男:それ、たていす。

    (こうやって時々あたしはコンクリートの川岸に腰掛けて貴方のこ
    とを考えてるの夕闇にひざをぶらぶらまぎらせながら変わらないも
    のなどなにもない本当にそうなのでしょうか)

女:それ、タコの刺身?
男:それ、たていす。

    (インディアンがベルボトムズで信号無視して野球帽踏んづけてど
    んどんどんどん光の奥へどんどんどんどんひるむことなくジャンプ
    するジャンプするジャンプするとてもとてもボクには数え切れない
    数え切れないのだ)

女:それ、タコの刺身?
男:それ、たていす。

    (エメラルドグリーンのロッキー山脈から溶け出した窓の外のおい
    しい空気と私の目の前の踏切をノロノロノロノロいつ果てるとも知
    れないJR東海の貨物列車の黒ずんだブタ鼻とどちらかが幻に違
    いないゼッタイそうに決まってるゼッタイそうに決まってるゼッタイ
    そうに決まってるゼッタイ)

女:それ、タコの刺身?
男:それ、たていす。

    (地平線の向こう側へ 南へ更なる南へ ビデオカメラは飽くなき
    助走を繰り返す 打ち棄てられた大きな水溜りがきっと訪れる新
    たな曙光をまえに緻密な屈折を積み重ねた 闇を ふくよかに湛
    えつつ…)



    (repeat slowly for 840 times & fade)



自由詩 オープンカフェ Copyright EnoGu 2003-07-03 16:25:02
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