夏の虫
千波 一也


ほら、見てごらん
無数の蛍  
無数の蝶々

せっかく部屋を暗くしたのに

ほら、見てごらん
僕らはすっかり取り囲まれてる


吐息、ひとつ
(甘く、美味)

喘ぎ、ひとつ
(淡く、光り)


蜜と光を求める虫に君の波長が重なったらしい



限界まで火照ったところだ
丁度いい

おいで
おいで
夏の虫

飛んで火に「入れ」夏の虫


二人の瞳にふさわしく可憐に映える花火とかわれ


おいで
おいで
夏の虫

飛んで火に入れ夏の虫



自由詩 夏の虫 Copyright 千波 一也 2005-07-04 18:50:27
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