連絡船・函館
たりぽん(大理 奔)

港を背に
路地を抜けると
山の中腹に向かって
道は登っていく
海からの
北風を受けて
枯れかけた草むら
そこにあなたの
標がある

数えるのはもうやめた
齢だけじゃない
なにもかもだ

坂の途中の
サルの家も今はなく
この街を静かに去ろうにも
二度と岸壁を離れない


未詩・独白 連絡船・函館 Copyright たりぽん(大理 奔) 2005-07-03 23:25:01
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