焼肉
たもつ



肉を焼きます
美味しいですから
正解は無いにしても
ミスター
それは髭です
目にしみる煙です

ジーンズには穴が開いてます
そこからは夏が覗けます
もう少し肉の話を
美味しいですから
ミスター
それは髭です

街、と
僕らが呼ぶところには
たくさんの人がいて
皆きれいな服を着ていました
きれいなものは
手に入らないもの
ミスター
あなたはそう言っていました
僕は子供の頃
ものを食べるのが下手くそでした
ミスター、こぼれてますよ
それは髭です

どんなに肉を食べても
僕らは恐竜にはなれません
散々試してみましたから
生きることは辛くはない
けれども生きずらい
そしてそれは毎日です
カルビも焼きます
今日は割勘ですから
ビビンバも頼んでいいですか
ミスター
それは髭です
その先に光っているのは
たぶん涙です




自由詩 焼肉 Copyright たもつ 2005-07-02 20:42:16
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