溺れる天使
AKiHiCo

背中に羽根があったら
この大空を飛べる?

浅瀬で溺れる魚が
岩陰でもがく姿のような
哀れな姿勢で窓辺に立つ
何度も練習してきた
羽ばたく為の訓練を

見えないスロープが夜空には
連なっていて連なって
そこを昇るように
羽根を羽ばたかせる
僕は今、天使になった?
天使に見える?
嘲笑しないで僕の瞳を見て

そう、僕は飛べない羽根を持つ
泳げない魚はいないなんて嘘
僕がこうして飛べないのだから
天使にはなれない
溺れる天使の仔

悲しくない、寂しくもない
見せ掛けの羽根じゃ何も出来やしなかった
それだけの事


自由詩 溺れる天使 Copyright AKiHiCo 2005-06-23 02:32:12
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