ファイブ
馬野ミキ

ぼくがテッテ的にわかっていない
それがともだちを苦しめ
或いはそれが友達をそらにとばせることもあるという

西武新宿線の座席であしを高く組みながらぼくはスケジュール帳をながめて海に行きたいというからここがうみだ
おれはびしょ濡れで水分に溢れみんなのさなかにいる
くさった魚のひとみのくそやろう共
彼らは魚民でざつくばらんに持ちつ持たれつやろうよ、とイウ
夕陽を背景にきちがいたちは常に誰もがこだわりにあふれていた
だから科学者たちはこだわりを恐れる
精神病院とはこだわりの巣窟だった
町はゆっくりとこだわらないことに執着した奴らを乗せ
四季のうつろいを織り交ぜながら深く精神病院へと向かう列車だみよ車窓から
まともなセックスをしている人間はいないぞ
きみのお父さんとお母さんもそうだ


自由詩 ファイブ Copyright 馬野ミキ 2005-06-23 02:17:23
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