雨のあいだに
竹節一二三

チョコレート色の夜が
しずくに溶けて 流れ出す
とろりとろりと
自分ばかり見て
しずかに ひそかに
排水溝へ落ちてゆく

私の足元を
暗い色のしずくが
うずを巻いて とりかこむ
逃れられるはずもなく
私もともに 沈みゆく

ふりかえらないときめたのに
まえをみると きめたのに
空へ伸ばした指先まで
のまれ
しずくに溶けて 流れ出す

明日をつかむときまで
梅雨の合間に手をのばす
みずたまりに映る
私でないわたしと戦い

あめのあいまに
すわりこむ


自由詩 雨のあいだに Copyright 竹節一二三 2005-06-21 15:52:13
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