アイラブユー
加藤泰清


アイラブユー

「アイラブユー」なんて遣わない
日本人として遣えない
恥ずかしすぎて遣えない
「愛してる」
もっと遣えない
遣えるヤツは日本人じゃない

アイラブユーってなんですか?

「愛してる」はアイラブユー
「おはよう」もアイラブユー
「また明日」もアイラブユー
「ありがとう」もアイラブユー

オレの気持ちは「アイラブユー」

遣えなくたってアイラブユー
そのつたなさがアイラブユー
オレからオマエへアイラブユー
このやりとりがアイラブユー
全てのものがアイラブユー

「I LOVE YOU」じゃなくて「アイラブユー」

十年とちょっとの人生で
一回も遣ってしまった「アイラブユー」
胸が張り裂けそうってきっとこの事
勇気は要る
かなり要る
それ以上に「アイ」が要る




アイラブユー








もう言わないかもしれないアイラブユー


とても疲れてしまったアイラブユー


だけどやっぱりアイラブユー


オマエに贈る「アイラブユー」


はなむけの言葉「アイラブユー」


「さよなら」だってアイラブユー


自由詩 アイラブユー Copyright 加藤泰清 2005-06-19 14:12:42
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