Quo Fata Ferunt .
完食
描かれるだけのキャンパスは
描かれ続けたすえに自分だけの色を見つけ作って
それをみんなに見せれば
みんなはあまりの綺麗さに嫉妬したり
自分達の色に合わない、とかどうでもいい理由でキャンパスを否定した
認められる、はずだった
釣られるだけのフィッシュは
釣られ続けたすえに釣られぬ攻略法を見出して
それをみんなに見せたなら
理解信用できない、と既に染められた思想の前
彼は一人ぼっち、仲間が釣られていくのを見ているしかなかった
助けられる、はずだった
飛び続けるだけのカモメは
飛び続けたすえに誰も知らぬ高速飛行法を手に入れて
それをみんなに見せたなら
お前は、なぜ飛んでいるのだ?生きるためだろう?と
鳥としての誇りさえ失った老カモメが否定すれば、すべてが否定する
みんながもう少し楽に生きれた、はずだった
新しい思想は、誰も、救えなかった
新しい思想に、誰も、救われようと思わなかった