Quo Fata Ferunt .
完食

描かれるだけのキャンパスは
描かれ続けたすえに自分だけの色を見つけ作って
それをみんなに見せれば

みんなはあまりの綺麗さに嫉妬したり
自分達の色に合わない、とかどうでもいい理由でキャンパスを否定した
認められる、はずだった


釣られるだけのフィッシュは
釣られ続けたすえに釣られぬ攻略法を見出して
それをみんなに見せたなら

理解信用できない、と既に染められた思想の前
彼は一人ぼっち、仲間が釣られていくのを見ているしかなかった
助けられる、はずだった


飛び続けるだけのカモメは
飛び続けたすえに誰も知らぬ高速飛行法を手に入れて
それをみんなに見せたなら

お前は、なぜ飛んでいるのだ?生きるためだろう?と
鳥としての誇りさえ失った老カモメが否定すれば、すべてが否定する
みんながもう少し楽に生きれた、はずだった


新しい思想は、誰も、救えなかった
新しい思想に、誰も、救われようと思わなかった


自由詩 Quo Fata Ferunt . Copyright 完食 2005-06-19 00:29:58
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