贅沢な骨
こしごえ

かんにんえ。

しなやかな指で 黒髪をすく
うなじはうつむき
石榴ざくろのきれつに遠さをおぼえて
その甘酸っぱさをささえる
やり切れなさの仕打ちが 私語する
きしむ本音が
空をかすめて
水鏡はさざなみたち
影の容れ物がため息をついて
痛みの在りかを こたえる
うそをついては いけませんのよ?
中心が響くので 落日に燃えて
まどろみ
果てしない夢を見る
わたしは
哀しみにあふれる
器をかかえ 月明りに揺れる
ひとはだれでも ひとりなのよ
夜空の重さに
ひんやりと 笑う





     
個人サイト「As H System」掲載


自由詩 贅沢な骨 Copyright こしごえ 2005-06-18 04:14:53
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