銀河鉄道の夜
ヤマト

夜行バスに乗った
実家に帰るための一手段に過ぎないのだが
安い、早い、と言う点が気に入ったのだ

僕の実家はけっこうな田舎だ
夜行バスから見える星がとてもキレイで
満天の星を見ると実家に帰ってきたな、と思う

そう、僕は帰ってきたのだ


実に5年ぶりに会う友人は大して変わってなく
変わったことと言えば
お互いに酒を飲める年齢になった、ということぐらいだろうか

僕の地元に「銀河鉄道の夜」というお酒がある
地酒マニアなら知る人ぞ知るお酒だ
夜行バスの中で僕はこのお酒のことを考えていた

2人で「銀河鉄道の夜」を飲む
べらぼうに高いお酒で普段は手が出ない
公園で飲む、おつまみは思い出話だ

もし僕がジョバンニならば
君はカムパネルラとなるだろう

まだまだ若い僕らだが
いつかは死に別れるであろう友
再び離れたとき
君の見ている星が
僕からも見えるように
今、僕が見ている星を
君も見ていてくれ


自由詩 銀河鉄道の夜 Copyright ヤマト 2005-06-18 01:33:56
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