任意
カンチェルスキス





 傘の下で笑う
 あふれる殺意で

 
 階段を流れて落ちる
 雨に
 気がふれる


 ゆがんで見える
 横断歩道の白線が
 濡れた足元のしみの
 曲線が
 ティッシュ配りの
 単調な動作が
 ゆがんで見える


 背中に感じる
 不快感に
 抗うつもりもない
 凶器も両腕も必要ない
 なのに
 暴力が生まれる


 なんでこんなにも
 晴れてるのか?


 あふれる殺意
 傘の下で笑う


 


自由詩 任意 Copyright カンチェルスキス 2005-06-17 20:13:22
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