ムーニールー
ふるる

ムーニールーがありんこを相手取って
裁判をしているころ
お日様は林檎を
真っ赤に染めて
林檎はムーニールーに食べられるのを待っている

カタツムリが雨の中
小さくくしゃみしたけれど
ムーニールーは知らんかお
土星に喧嘩を売っていたらしい

ドーナツ屋のご主人は
ムーニールーが来るかと
びくびくしている
嵐のように来るので
ともするとドーナツは舞い上がる

ムーニールーは今日は
窓枠と散歩だ
鼻の頭にペンキの白

ムーニールーが言うことを聞くのは
いまのところ
従姉妹のべスだけ
きれいでやさしい従姉妹のベス

ベスが来る時
ムーニールーは喋ることを
メモにしてポケットに入れてるってことだから
案外かわいいところもある

今日は釣りに行って来たらしい
バケツはカラで
青々としている

ムーニールーは
海にいちゃもんをつけるつもりだ

真っ赤な林檎ちゃんは
カラスが食べちゃったらしい




自由詩 ムーニールー Copyright ふるる 2005-06-17 20:02:44
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