障子を 張り替える
砂木

陽に焼けて
薄い力を
なくした紙

ぺタリと セロハンテープでとめてたけど
格子から はがれてしまい
なにもないより 荒れてるような
みじめな部屋に 苦しくなり
重い腰を上げて 張り替えた

いたんだ場所だけにしよう と思ったのに
ぴりりと 破いていくその隣りの はじっこの横
少し 亀裂が入る
ああ といいながら しかたなく
また隣りも 張り替える
いっそ すべて 張り替えようか
いや のりが 足りない

新しい紙と 古い紙が まだらだ
ピアノみたいだ
でもやがて すべて古くなり
張替えの時期がくるんだろうな

新しい紙を通して 明るい光が差し込む
古い紙を通して 明るい光が差し込む

すべて張り替えることは 今は無理だ
だけど

明るい日も 暗い日も 
薄くさえぎりながら 届けられる
限りない 恵みの陽に

目をあけて 起き上がるんだろう

さっぱりとした 部屋の中
詩だけをみつめて



自由詩 障子を 張り替える Copyright 砂木 2005-06-13 06:50:14
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