タラバガニが見える
不老産兄弟

僕がまだ販売員だったころの話だが、一人の女性客に「30分くらいで戻るので、良さそうなのを適当に三つくらい選んでおいてもらえるかしら。」と頼まれたことがある。おいおい、商店街の魚屋じゃないんだからとあっけに取られていたその時体内に電流がはしった。地中深くに顔をうずめて物憂げなほとばしりを見せるあの
カッパーメタルのように

だからあわてて階段を駆け下り(オリタラバ)
化粧品売り場を疾走した(シタラバ)

なんだか
背中に勇気がわいてきて
君と一緒なら
このままどこにだっていける気がした


自由詩 タラバガニが見える Copyright 不老産兄弟 2005-06-08 09:01:03
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