放鳥
白
王が放った火は
黄泉の国まで届いた
人々を焼き、人々の罪を焼き、
市場には私がいた
汚い雑巾のような子の
唱え続けた祈りが
花を揺らし梢を叩き
夢から覚めろと私を揺らす
降り注ぐ光は幸せを歌う
夜が明るいものとなり
異形の人が祝詞すれば
影より薄く暗いものも消え
我、千の夜に在れかし
響くのは光年の雨垂れ
うつろいゆくものは潮
風、夢、光、森、蝶、空
大地以外のもの全て
砂糖菓子の偽る国を
電極に集まったイカズチは
ミジャグジの運ぶ白い花嫁
桜は冬に浅き恋を見た
籠の私を置き去りに
市場は賑わいを増してゆく
炎となった命が赤く照り
売るものは皆買われてゆく
首輪を外してくれ
手枷を、足枷を外してくれ
死を迎え入れるその日には
一羽の巫として死にたい
焼け野原となった城下
滅ぼせなかった私の煤を
王は両手に抱いて迷わない
お前は神の国へ行ける