いつかの少年
森田拓也

人はみな大人になれば見失う
  心の中にドラえもんいて


この〇が塗り潰されて●になる
  それが大人になるということ?


雷が止んで本棚ふと見れば
  一茶の文庫倒れてました


答えなき事つぶやけば神様の
  返事のように粉雪が降り


信号が変わりかけても突っ込んで
  行けた青春 いまは中年


逆立ちをしても届かぬ好きな娘に
  キス出来ずともスキと言いたい


花でなく一人静の名を摘めば
  野原にはもう誰もいなくて


ボスという強そうな名の老犬を
  起こさぬ様に通る犬小屋


電話帳手繰りて一人ずつ覚ゆ
  ひとり残らず愛する為に


眠れずに天井見つつ真夜中の
  迷子のような雨を聴くだけ







短歌 いつかの少年 Copyright 森田拓也 2026-02-25 09:28:45
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