バラのおかげ
花野誉


鮮明に覚えている
生まれてから 
初めての嫉妬

五才くらいの頃
アニメの
星の王子さまが大好きで

王子様が
大事にするバラが
憎くて仕方なかった

わがままを言って
王子様を困らせて

ただ
そこにいるだけで
愛される

バラの花を
踏みつぶしたいと
いつも願った

でも それは
誰かと
重なっていたのでは

気づいたのは
だいぶ後になって

わがままを言っても
無茶をしても
許される
三つ下の子

気づいて怖くなった

修羅とは
幼心にも芽生える

いちばん仲良しの
同じ血を分けた子

彼女を
傷つけずにおれた

バラのおかげかもしれない




 


自由詩 バラのおかげ Copyright 花野誉 2026-02-24 14:26:33
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