はにかんだりー
秋葉竹



ものがたりや
創作物について
わたしは全てのそれらを
受け入れられると想っていた
いましがた
ついさっきまで

このものがたりを
読むまで


京都在住の卒業間近の男子大学生が
偶然就活で来ていた東京で
じぶんと同じ大学の卒業生の5歳ほど上の
出張で東京に来ていた
既婚の社会人女性ととあるバーで出会って
その偶然とかに
いろいろ盛り上がって
一夜を共にして
早朝連絡先だけメモに残して
ひとりで出て行って

京都に帰ってからも
月一くらいで会って
会話を楽しむだけの関係をつづけて
その数ヶ月後に
彼女の旦那の転勤の都合で
東京への引越しが決まったので
最後に別れのキスをして
さようなら

ってものがたり

なんというか
身震いがした
こりゃ、ダメだ、耐えられない
と想った

このわたしにさえ
受け入れられないものがたりが
あるんだ?
って
逆に新鮮な気分になれたよ

それか、アレかなぁ?

〈わたしの好いひと〉いわく
《あなたには、心に襞がない》
というところの
ヒダの無さが
わたしをそのものがたりの良さを
理解できないヤツにしているのだろうか?

イヤ、でも、
映画「さびしんぼう」とかみても
感動できた心くらいは持ってるしなぁ

よぐ、わがんね

ま、
わたしにも耐えられないものがたりがあると
わかってしまったのに
あまりにも驚いてしまって
ここに一筆献上いたします


ただ、でも、とは云うものの
そのほんの短いものがたりではあるが
最後まで読んで
そのみっともなさに身震いした
ってぇのは
最後まで読ますナニカが
そのものがたりには
備わっていたのではないか
とか
けんめいにフォローを考えてみたり
みなかったり

はにかんだりー








自由詩 はにかんだりー Copyright 秋葉竹 2026-02-22 07:58:43
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