河津桜
伊藤透雪

まだまだ寒いのに
君は咲いたんだね
小枝のように細くても
桃色の顔が映えて可愛らしい

小さな苗の君が
年とともに成長し
若々しい目をして
ひとつひとつ笑顔を開く
そのさまが愛おしいほど

早すぎる青春の狂わしい
孤独に会わぬように
陽がたくさん照り
温かな柔らかい風で
包まれますように

季節の巡りに
そっと近づいて来る
陽気と風が
春の若さを運び
愛の芽生えを胸元に
留め始める
ボタンを意識する
夢を見始めてなお
微笑みの中に
春はまだこれからの
輝きを隠している



自由詩 河津桜 Copyright 伊藤透雪 2026-02-18 18:05:49
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