雑想 Ⅱ
月乃 猫
ここを出る
それがため
靴をさがす
昔は どんなものでも平気だった
今は、理由や 人目さえも気になり
履く靴を
みつけられない
・
辞書のことばで表現できない
それが増え始める
故に
新たな言語を創設する
そこにはきっと
仲間が集い
今とは違った
世界の創成
・
できるだけ
右をあるくことを拒む
左にもよらず
それなのに、
中道には
もう席がなくなっている
・
心より君を愛す
僕は君への愛を二乗する
そのために この愛を平方完成する
愛の質量保存の法則は
僕には あてはまらない
そんな事を口にする男だった
めんどいので、
ありがとう
そう答える
・
巨きな 印しのない円をあるく
始まりも 終わりも 定かでなく、
どこにいるのか
それは、悲しいことに
いつの間にか
もう始まっている
・
雪のなかで
キツネに出会う
こちらを伺うので
声をかける
なのに ふいと行ってしまう
私のキツネ語は
まだ通じない
・
山は朝
1013hPa
罰などありようもないのに
圧し掛かる それに
今日はひどく 重たい
罪を感じる