『三郎沼の守り火』 第六章:守り火の下
板谷みきょう
人々が夜空の星を拝んでいる頃。
山奥の誰も立ち入らぬ湿地で、
三郎の体は
静かに泥へと溶け込んでいった。
星は高く、人々が空を見上げて
感謝を捧げるたび、三郎の生身の真実は、
より一層深い暗闇へと追いやられていった。
星になったという伝説は、三郎の“痛み”を
隠すための蓋でしかなかった。
三郎の名を呼ぶ風は、
もうどこにも吹いていない。
ただ、泥の中に沈んだ“無言の重み”だけが、
村の平穏を泥沼の底から支え続けている。
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童話モドキ