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yaka2

キコキコと
錆びたママチャリは
軽く悲鳴をあげながら、重い雲の下を走る
襲いくる粉雪を押しのけ押しのけ、よたよたと走る
今日はどうしても、
この有権者を会場へ連れて行くのだ


冬枯れロード
サクラ並木は肩を並べ、裸ん坊の手を差しのべている
町へ、空へ、祈るように
気づいておくれ
春が来るたび、欠かすことなく
花びらを、送り届ける意味に


こんな日を選ぶなんて、ひどいことをする
人々はつぶやくけれど、
その口元は許してしまっている


裸ん坊の手の先に、
微かな望みを、捨てきれずに
ママチャリをキコキコいわせながら
粉雪を食う


自由詩 投票日 Copyright yaka2 2026-02-08 14:23:52
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