枕もとのうた
はな
春は きえた
ゆうだちの匂いがやわらかなあわになり
すこしずつ
あたしのつまさきと
乾きかけたしゃつに へばりついて
いもうとのうたうはなうた
おとなりからひびく いたりあ語
日が少しずつ
かたむいてゆく
おと
みみをすませば
うえのほうからふってくる
夏を降らせるこびとたちが あわてはじめている
すかーとをひっかけて
ころばないように ね
きみのあせばんだてを
あらいざらしのはだを
はにかむように かみしめて
つかんでいる
ここにちゃんと 足をつけていますか
あたしたちは
立っていますか
春はもう
ねむりについて
いつか
おやすみを
あたしに言ったっけ